【冬編】クロワッサン・デニッシュ生地対策

低温大好き折り込み生地に、気温20度以下で挑んだ時に気付いた事のメモ。配合は材料欄参照。卵と牛乳入り前提。
このレシピの生い立ち
先に夏版を作ったので、冬版を作った。
温度は20度近辺と15度未満でも勝手が違ってくるので、気付いた事があり次第加筆。
22/1/29 生地が冷えてるのに伸びない時の対処を追加。
【冬編】クロワッサン・デニッシュ生地対策
低温大好き折り込み生地に、気温20度以下で挑んだ時に気付いた事のメモ。配合は材料欄参照。卵と牛乳入り前提。
このレシピの生い立ち
先に夏版を作ったので、冬版を作った。
温度は20度近辺と15度未満でも勝手が違ってくるので、気付いた事があり次第加筆。
22/1/29 生地が冷えてるのに伸びない時の対処を追加。
作り方
- 1
■配合
デトランプ(小麦生地)は柔らかめが伸ばしやすく、折り込みバターは量が増える程難易度アップらしい。 - 2
卵→伸びを良くする。
牛乳→ミルク味。生地が締まる。
バターも最初から入れる→グルテンの形成妨害=伸ばしやすさアップ。 - 3
バターやバター以外の油脂の選び方、使った実例は下記のレシピで紹介。
ID:20903073 - 4
■折り込みの準備
冷蔵発酵が終わった生地を、ガス抜きして平たくする。その後冷凍庫で冷やす。冷やす間にバターの準備。 - 5
生地はバターと同じ硬さになるまで冷やす。冷やす時に使える物を次に挙げておく。
- 6
1.ラップやビニールで包んだ上から濡れ布巾を巻く→均一に冷えるらしい。
2.金属バットに載せる→素早く冷える。 - 7
3.ラップの上から乾いた布巾を巻く→長時間冷凍庫に入れた時の部分的な凍結・冷えすぎを防ぐ。
- 8
ちなみに気温20度なら、何も巻かないと10分位で5度程度まで冷える。この辺は実際にやってみて、冷蔵庫の癖と相談。
- 9
冷蔵庫の機種によっては、一部の冷凍室に入れた物を早く冷やす装備もある(アルミ板など)。作業前に冷蔵庫の取説を読んで確認。
- 10
人によっては、折り込み前に冷やした生地とバターの硬さは、それぞれ単体で触って比較しておいた方がいい気がする。
- 11
■作業台の準備
大理石の台の場合、保管場所が室温15~20度以下なら十分冷えてるのでそのまま使う。温度は室温とほぼ同じ。 - 12
暖房の温風は大敵。エアコンの温風でさえ、直接吹き付けると生地がだれる。必ず電源を切っておく事。ほぼ温風が原因の気もする。
- 13
暖房を使いたい場合、先に部屋を18~20度まで暖め、折込中は止めておけば安心。室温は風邪をひかない程度に調整する。
- 14
★ここから先は折り込みを始めてからの工程向け。
- 15
■伸びにくくなる頃
大体三つ折り1~2回目の折込までは伸びる。自分の場合、3回目と成形用に伸ばす時が伸びにくい。 - 16
作業の後半は生地の温度が高くなりがち。伸ばしやすくするため、いつも伸びにくいと感じる作業の前はじっくり生地を休ませる。
- 17
伸ばす内にグルテンも強くなるので、長時間休ませる場合は冷凍庫20分→冷蔵庫30分のように途中で移動すると冷えすぎ防止に。
- 18
ラップの上から布巾で包むのも良い。かなり冷気の当たり方が柔らかくなり、角ばかり凍る事態は防ぎやすい。途中移動もサボれる。
- 19
布巾なしで冷やした時、特に折り込み2回目でバターが割れやすくなる場合がある。いつも割れる人は表面の冷え過ぎ防止にでも。
- 20
冷やす時の注意。折り込み後に12~15度程度の生地の場合、50~60分で生地が−1~3度まで下がる。これは冷やし過ぎ。
- 21
この温度で三つ折り3回後、翌日成形した生地。バターは粉の50%量。生地が伸びにくく腕は筋肉痛になった。
- 22
3回折り込み後、翌日焼き上げ。層は出るが、使ったバターが冷凍して普通のバターの硬さのため、他のバターでの結果は不明。
- 23
比較。生地を伸ばす時間はどちらも5~6分。夏でさえ氷点下にはしない。
夏:3.3度→11.3度
冬:−3度→11.8度 - 24
気温の違いによる、作業台から伝わる熱の量のイメージ。夏と比べれば、作業台が生地を温める力は弱い。
- 25
気温20度程度なら、生地の温度は6~7度程度が限度。それ以上は、工程19や後述の「生地が冷えてるのに伸びない」事態に。
- 26
気温の違いによる、作業台から伝わる熱の量のイメージ2。暖房無しの冬の室内は、さらに作業台から伝わる熱は減る。
- 27
気温10度程度だと、作業前後で生地の温度変化が6度→10度程度。四つ折りを2回連続で、15分かけて行ってもこの状態。
- 28
厳寒期だけは一気に2回折り込むのも一つの作戦になるが、自分の技術や生地の状態と相談。やる時は生地の休憩をしっかりと。
- 29
常に冷蔵発酵状態の温度なので、発酵させず休ませるには冷凍庫だが、最初からor途中で乾いた布巾に包まないと凍る。
- 30
作業前後での温度変化が非常に少ないが、冷蔵庫だけで冷やすと発酵が止まらず、休ませた割に生地のコシが強いままだったりする。
- 31
■伸びにくさ対策
写真のように、折って輪になった部分を包丁で切り開く対策もある。突っ張る部分を切って抵抗を減らす感じ。 - 32
輪を切った場合。横が突っ張らないので、粉125gの生地でも、20cm弱の幅を出すのが楽。比較的素直に横も伸びる。
- 33
輪を切っていない場合。輪が突っ張るので、角が丸まりやすい。粉125gの生地の場合、15cm以上の幅を出すのが大変。
- 34
ちなみに切るタイミングは、伸びにくくなってきた頃で十分楽になる。四つ折りなら成形準備頃。三つ折りなら3回目以降か。
- 35
■バターがはみ出す
生地の温度が高いとはみ出す。寒くても、折り込み1回あたり作業時間5〜10分を目標に手早く行う。 - 36
冷蔵庫に入れる時点で生地の温度が高いと、レシピ通りの時間では冷却不足の事もある。
- 37
冷蔵庫で生地を冷やす時間は、レシピの時間はあくまで目安。生地の状態をよく観察して調整する。この辺はオーブンの調整と同じ。
- 38
バターはみ出し防止は、2回目以降の折り込み開始時に、1回目の折り込み前と同じようによく冷えたかを気にするといいと思う。
- 39
具体例→
1回目折り込み後13.8度→冷凍20分→2回目折り込み前7度(-6.8度)→2回目折り込み後14.5度(略) - 40
0度近くに下げる利点が出るのは、生地の温度上昇が激しい時期。バターが硬過ぎて生地の中で割れる原因にもなるので程々に。
- 41
温度確認は温度計を使うのがお勧め。棒温度計でも時間は1分程度。赤外線温度計があれば一番早くて楽。
- 42
■バターがはみだす2
冷えた生地の場合。包み方が甘い+バターと生地と硬さが完全一致ではない状態だとこうなるようだ。 - 43
バターが適温の状態でも、こうなると結局麺棒にくっつくのでうっとうしい。写真のギリギリ寸法よりは余裕を持たせておきたい。
- 44
■生地を冷やす場所選び
折り込み前の生地を冷蔵発酵後、この状態で温度を測って参考にする。ちなみにこの生地は10度台。 - 45
自分は気温20度の時期は6〜7度前後に温度を下げたいので、この冷蔵庫なら冷蔵室より冷凍室に入れた方がいいと判断出来る。
- 46
■生地が冷えにくい
最初に生地を冷やす時は良く冷えるが、同じ時間冷凍しても、作業が進むうちに冷えにくくなる事がある。 - 47
庫内の空き具合、冷やす位置、冷蔵庫の性能、室温など色々な要素があるが、開閉で冷気が逃げるのも一因だと思う。
- 48
きちんと冷えなかった一例。夏に2回目の折り込み終了後、冷凍庫で40分冷却。少し伸ばしたら生地が一部破れたため、粉で補修。
- 49
この生地を半分に折り、温度計を隙間に挟んで計ったら16度台。しかし夏なので、台と接する表面はもっと高かったかもしれない。
- 50
この伸びにくい状態の生地の表面に、気泡が発生している場合もある。多分発酵が進んだ証拠。生地が冷えてない証拠でもありそう。
- 51
気温20度程度でも、生地がきちんと冷えてないと生地は破れ層は潰れる。生地の冷え具合には気を配る。
- 52
■生地が冷えてるのに伸びない
生地が氷点下まで冷えて、生地もバターも硬くて全然伸びない。強く押せば指の跡がつくが、硬い。 - 53
これはさすがに冷蔵庫か室温に5~10分置いて、生地温度を最低でも5度位まで上げないと、伸ばすのは至難の業。
- 54
折り込み後の生地が15度前後の場合、冷凍庫20分で7度前後になる。温度上昇速度に余裕があるので、生地温度を計って確認。
- 55
乾いた布巾を巻くと冷え方が緩やかになるので、冬に30分以上冷凍庫に入れっぱなしにするなら巻いておく。
- 56
それでも少し冷え過ぎ(生地が5度未満)になる時期は、そうなる前提で伸ばす前に2~5分室温に置いてから伸ばし始める。
- 57
端だけ凍ってる場合、手でなでて柔らかくする方法もある。生地を優しく曲げ伸ばしして、柔軟性が戻れば大丈夫そう。
- 58
■折込中の一晩冷蔵
チルド室に入れた生地。伸ばすとふわふわした触感で気泡もある。 - 59
生地は4.3度だったが、発酵が進んだ様子。きっちり止めるなら、冷凍庫で保存し、翌日伸ばす前に冷蔵庫に移すしかなさそう。
- 60
完成品はこうなった。層が少しはっきりしない。
- 61
断面図。食べるとデニッシュ。バターが焼く前に溶けたり、折り込み中に生地が破れて潰れたりするパターンよりは断然まとも。
- 62
こちらは普通の冷蔵室にイースト2%配合の生地を3時間保存した例。左側のダイヤ型がぺたんこになっている。
- 63
イーストの生地は冷蔵庫でも発酵が続く。何かの理由で長時間中断する場合は冷凍庫に入れて、再開前に冷蔵室で解凍が安全。
- 64
■焼くとバターが漏れる
焼く温度が低い、二次発酵不足という条件が大きい。写真の漏れ具合の場合、普通にサクサクになった。 - 65
その他の理由だと、極端なこね不足も理由になるようだ。この辺は、バターの在庫に余裕あるなら実際作って検証が一番か。
- 66
ちなみにアウトの漏れ具合=バターの海だと、このように天板が明らかに油で濡れたようになり、溝にも薄く溜まる程。
- 67
逆に多少シミが天板に広がっても、完成品の味や食感に問題なければ大丈夫っぽい。焼くシートの構造が影響する場合もありそう。
- 68
バター漏れの実態を正確に把握するなら、使い捨てシートが分かりやすい場合もある。この場合は右側の生地が多分怪しい。
- 69
■二次発酵
28度で発酵する機能がない場合、30度で25~30分発酵し、その後放置する。少し温めた所に放置する感じ。 - 70
細かく管理する場合はオーブンに100均の温湿度計を入れ、25〜28度になったら発酵機能を止める。誤差を考えてやや低め。
- 71
気温20度前後の場合、開けなければ1時間以上経っても温かい。開けずに庫内の温湿度計を見る時は懐中電灯を使う。
- 72
気温10度前後では、1時間放置で22度辺りになる。放置は30~40分程度にして、30度発酵を15~20分追加する。
- 73
◆室温15度の場合30度25~30分発酵。28度近くに温める→30分放置→庫内温度を確認。30度発酵に戻る。
- 74
庫内温度確認後は、30度発酵→放置の繰り返しとなる。庫内温度で30度発酵の時間は調整する。やや短めにすると安全。
- 75
30度発酵の時間はレシピによりまちまち。要は折り込み生地好みの条件・温度28~30度+湿度75%を保てればいいのだろう。
- 76
やや低めの25度前後で発酵する場合、時間はかかるが安全。写真は市販レシピ本の配合で、発酵が2時間近くかかった物。
- 77
暖房をしっかり効かせる家の場合、テーブル辺りが近い温度だったりする。温度計を持っておくとよい。
- 78
比較的安全に30度近くを保ちたい場合、発酵中に生地表面の温度を赤外線温度計で測るのも手。表面が28度以下なら大丈夫そう。
- 79
生地をそっと指で押すとゆっくりへこみ、微妙にへこみが残ったままっぽくなったら二次発酵終了の目安。
- 80
その他の目安は、見た目なら層が一部開いたり、層の境界が溝っぽく目立つ。押した時に普通のパンに近い柔らかさも出る。
- 81
ただし発酵前に一度目の卵を塗るレシピの場合、つつくと表面が指にくっついて剥げる。焼いても残るので、目で確認だけにする。
- 82
他のパンと勝手は違うが、パンなので発酵不足は悪影響大。膨らみ不足やすぐに固くなる原因になるので、しっかり待つのが大事。
- 83
◆余談 オーブン発酵の場合、スチームの吹出し口近くに置くと30度10分でもバターが溶ける。二段で発酵の場合は要注意。
- 84
溶けた後、溶けない温度で発酵の続きを行なって焼くとこうなる。折り込み中に溶かした時と比べれば断然まとも。とりあえず焼く。
コツ・ポイント
とにかく時間にたっぷり余裕を持ち、絶対に急がず焦らない。これは年中同じ。
気温が低い分、冷凍庫を使う時は長居に注意。
伸ばす時は手粉も100%強力粉にして、量も惜しまない。
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