【夏編】クロワッサン・デニッシュ生地対策

ぐるちー
ぐるちー @cook_40129157

低温大好き折り込み生地に、気温25度以上で挑んだ時に気付いた事のメモ。配合は材料欄参照。卵と牛乳入り前提。

このレシピの生い立ち
自分用のデニッシュレシピに細かい事を全部書きこんでたら、すごく長くなりそうだったので分離した。気付いた事があれば改訂。
25/6/8 全面改訂。

【夏編】クロワッサン・デニッシュ生地対策

低温大好き折り込み生地に、気温25度以上で挑んだ時に気付いた事のメモ。配合は材料欄参照。卵と牛乳入り前提。

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自分用のデニッシュレシピに細かい事を全部書きこんでたら、すごく長くなりそうだったので分離した。気付いた事があれば改訂。
25/6/8 全面改訂。

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材料

  1. 好みのクロワッサン・デニッシュ生地
  2. 練習用デニッシュ生地 ID:20574909
  3. 卵20%のデニッシュ生地 ID:21547747
  4. ※気温20度以下は下記のレシピへ
  5. 冬編 ID:20920709

作り方

  1. 1

    ★全体のポイント
    一番大事なのは暑さ対策。
    折り込み作業→5分以内。
    生地を休ませる時→冷蔵庫指定のレシピも冷凍庫で。

  2. 2

    作業を素早く行うと同時に、生地を冷やす作業に時間を惜しまない事がコツ。冷房は当然必須。室温は最高でも28度未満。

  3. 3

    温度管理は他の季節以上にシビア。計測時間も短い方がいいので、赤外線温度計が便利。もちろん棒状でもないよりは断然良い。

  4. 4

    ■配合
    デトランプ(小麦生地)は柔らかめが伸ばしやすく、折り込みバターは量が増える程難易度アップらしい。

  5. 5

    卵→伸びを良くする。
    牛乳→ミルク味。生地が締まる。
    バターも最初から入れる→グルテンの形成妨害=伸ばしやすさアップ。

  6. 6

    バターやバター以外の油脂の選び方、使った実例は下記のレシピで紹介。
    ID:20903073

  7. 7

    ■折り込みの準備
    冷蔵発酵が終わった生地を、ガス抜きして平たくする。その後冷凍庫で冷やす。冷やす間にバターの準備。

  8. 8

    生地はバターと同じ硬さになるまで冷やす。具体的な温度は生地の配合と使うバターによりけりだが、上限は10度が目安。

  9. 9

    均一に冷やすならラップの上から濡れ布巾を巻く。素早く冷やすなら生地の上に凍った物を載せる方法が、狭い冷凍庫でも使える。

  10. 10

    素早く冷やす目的で金属バットに生地を載せる方法もあるが、こちらは庫内が狭いと難しい。アルミホイルを巻く方法が妥協案。

  11. 11

    冷蔵庫の機種によっては、一部の冷凍室に入れた物を早く冷やす装備もある(アルミ板など)。作業前に冷蔵庫の取説を読んで確認。

  12. 12

    ■作業台の準備
    折り込み作業の10~30分前から、作業台を氷水か保冷剤+水入りの金属バットで冷やす。大理石の台でも同様。

  13. 13

    折り込み中の生地を休ませるのが1時間位なら、作業台はずっと冷やすと楽。バットの素材はアルミが早く冷え、鉄は少し遅い。

  14. 14

    気温の違いによる、作業台から伝わる熱の量のイメージ。夏は人工大理石の台も生ぬるい。

  15. 15

    冷やした後は、どうしても結露で作業台が濡れる。打ち粉をするのは、しっかり水気を取ってから。冷やす前も打ち粉は拭く。

  16. 16

    ★ここから先は折り込み開始後の工程。

  17. 17

    ■伸びにくくなる頃
    大体三つ折り1~2回目の折込までは伸びる。自分の場合、3回目と成形用に伸ばす時が伸びにくい。

  18. 18

    生地の冷え具合は伸ばしやすさに直結する。生地を折り込むたびに、1回目の折り込み前の温度に戻すつもりで冷やすのが重要。

  19. 19

    ■バターがはみ出す
    生地の温度が高いのが原因。暑いと折り込み1回を5分=短時間で済ませても、生地の温度が上がりやすい。

  20. 20

    大抵のレシピは冬の作業が前提だと思うが、暑さで生地の温度が冬より高ければ、レシピ通りの時間では当然冷却不足になる。

  21. 21

    冷蔵庫で生地を冷やす時間も、オーブンの焼き時間と同じ。レシピの時間はあくまで目安で、自分の環境に合わせた調整が必要。

  22. 22

    バターはみ出し防止も、2回目以降の折り込み開始時に、1回目の折り込み前と同じように冷やせてるかを気にするといいと思う。

  23. 23

    ■伸ばしやすい硬さ
    緩く折り曲げられる位の硬さ。温度はバターによる。5度もOKもあれば10度近くないと駄目なものも。

  24. 24

    伸ばし始めでバターが割れないぎりぎりの低温まで冷やすと、バターが緩んで生地が破れる状態を防ぎやすい。

  25. 25

    ちなみに室温25度位だと、5分程度の伸ばし作業でこれ位生地の温度が上がってくる。+8度。10度近く上がると思えばOK。

  26. 26

    普通は作らない気温で作業するので、低い温度から伸ばせるバターが楽。カネカの発酵バターやカルピスバターは楽な部類。

  27. 27

    なお、冷房フル活用等で室温が20度程度であれば、生地の温度上昇速度も変わる。冬編を参考に。

  28. 28

    ■生地を冷やす場所選び
    冬なら冷蔵発酵後の生地温度を参考にするが、夏場は冷凍庫しか使わないのであまり関係ない。

  29. 29

    プロはよく冷える+伸ばせる−5度の庫内で冷やすらしい。可能な家庭なら、生地自体が氷点下にならない程度に使うのはありかも。

  30. 30

    冷やせばいいというものではないので、氷点下は回避する。成形で生地を切り分ける時は、ー2度位なら綺麗に切れるので例外。

  31. 31

    冷えすぎた生地は伸びも悪い。冷やし過ぎるとまずバターが生地の中で割れるが、最悪だと生地も割れる。やらかしたら冷蔵庫へ。

  32. 32

    ■生地が冷えにくい
    最初に生地を冷やす時は良く冷えるが、同じ時間冷凍しても、作業が進むうちに冷えにくくなる事がある。

  33. 33

    庫内の空き具合、冷やす位置、冷蔵庫の性能、室温など色々な要素があるが、開閉で冷気が逃げるのも一因だと思う。

  34. 34

    きちんと冷やせなかった一例。2回目の折り込み終了後、冷凍庫で40分冷却。少し伸ばしたら生地が一部破れたため、粉で補修。

  35. 35

    少し伸ばした生地を半分に折り、体温測定のように隙間に温度計を挟んで計ったら16度台。台と接する表面はもっと高いかも。

  36. 36

    この伸びにくい状態の生地の表面に、気泡が発生している場合もある。多分発酵が進んだ証拠。生地が冷えてない証拠でもありそう。

  37. 37

    生地を触って冷たいと感じても、実際に十分冷えてなければ結局うまく延ばせない。温度は感覚に頼らずきちんと測る。

  38. 38

    ■折込中の一晩冷蔵
    室温25度の日に冷凍庫に80分入れた後、チルド室に入れた生地。伸ばすとふわふわした触感で気泡もある。

  39. 39

    生地は4.3度だったが、発酵が進んだ様子。きっちり止めるなら、冷凍庫で保存し、翌日伸ばす前に冷蔵庫に移すしかなさそう。

  40. 40

    そもそも、1cm厚みの場合で生地の完全冷凍に4時間以上かかっていた。多分この冷凍時間ではまだイーストが起きてたのだろう。

  41. 41

    完成品はこうなった。層が少しはっきりしない。

  42. 42

    断面図。食べるとデニッシュ。バターが焼く前に溶けたり、折り込み中に生地が破れて潰れたりするパターンよりは断然まとも。

  43. 43

    この仕上がりを許せる人ならやってもいいが、許せなかったらチルド室の利用は博打になると思う。パーシャルがあればいいかも?

  44. 44

    ■成形 
    4~ー2度程度に冷やしてから切り分け、切ったらすぐに冷凍庫で冷やす。成形する分だけ生地を取り出して成形。

  45. 45

    それでも生地を巻く前に手で伸ばすクロワッサンは成形が大変。逆に切らずに巻いたり、切るだけだったりの単純な成形は楽。

  46. 46

    ■焼くとバターが漏れる
    焼く温度が低い、二次発酵不足という条件が大きい。写真の漏れ具合の場合、普通にサクサクになった。

  47. 47

    その他の理由だと、極端なこね不足も理由になるようだ。この辺は、バターの在庫に余裕あるなら実際作って検証が一番か。

  48. 48

    多少シミが天板に広がっても、完成品の味や食感に問題なければ大丈夫っぽい。焼くシートの構造が影響する場合もありそう。

  49. 49

    ■二次発酵
    室温のみの発酵は25度前後で可能だが、イースト1.5%だと遅過ぎて非推奨。27〜28度は欲しい。

  50. 50

    生地をそっと指で押して、ゆっくりへこみ、微妙にへこみが残ったままっぽくなったら二次発酵終了の目安。

  51. 51

    その他の目安は、見た目なら層が一部開いたり、層の境界が溝っぽく目立つ。押した時に普通のパンに近い柔らかさも出る。

  52. 52

    デトランプと同じ配合のパン。普通のパンとしては水分が少ないが、二次発酵後に押すと柔らかく、芯のような硬さがない。

コツ・ポイント

暑いとすぐに生地が温まり、そして冷えにくい。とにかく時間にたっぷり余裕を持ち、絶対に急がず焦らない。
伸ばす時は手粉も100%強力粉にして、量も惜しまない。
二次発酵は一度適温にした後は放置すればいいので、そこだけは楽。

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パンとお菓子を作るのが好き。美味のためならひと手間は掛ける派。オーブンはビストロ。使ってる材料は身近なスーパーで売ってる物が中心。一部にレア食材取り扱い店、または製菓材料店で通販可能な物を使用。レシピの質問はブログ2かインスタで。インスタ:https://www.instagram.com/ritorapure/ブログ2:https://dinnerforcat.exblog.jp/
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