61℃〜生ホタルイカ低温調理温度比較実験

BONIQ設定が何度なら極上のホタルイカが味わえるのか?
ホタルイカに適した設定温度を探るべく、3つの温度で比較実験。
このレシピの生い立ち
BONIQ設定が何度ならプリッとした極上のホタルイカが味わえるのか?生ホタルイカの季節が終わる前に完結できるかどうかは時間との戦いになってしまいますが、今回の失敗にめげずに今後、ヤリイカやスルメイカでも併せて研究を続けます。
61℃〜生ホタルイカ低温調理温度比較実験
BONIQ設定が何度なら極上のホタルイカが味わえるのか?
ホタルイカに適した設定温度を探るべく、3つの温度で比較実験。
このレシピの生い立ち
BONIQ設定が何度ならプリッとした極上のホタルイカが味わえるのか?生ホタルイカの季節が終わる前に完結できるかどうかは時間との戦いになってしまいますが、今回の失敗にめげずに今後、ヤリイカやスルメイカでも併せて研究を続けます。
作り方
- 1
<比較実験背景>
旬のホタルイカ。富山湾では毎年3月1日にホタルイカ漁が解禁される。
店頭に並び出すとワクワクする。
- 2
ああ、この季節が来たな、と。
生のホタルイカを見つければ尚更である。ツヤツヤ透き通っていて美しく、絶対に美味しいに
- 3
決まっているし、買わずにはいられない。
今日は他のものを買うからと、見送る時は後ろ髪ひかれる思いがするくらいである。 - 4
さて、ボイルされたホタルイカであればそのまま食べられるし便利であるが、では生のホタルイカはどうやって食べる?
- 5
あんなに新鮮そうでツヤツヤしていかにもお刺身で食べられそうな生ホタルイカ、実はそのまま食べるのはちょっと待って!
- 6
ホタルイカにはアニサキスや旋尾線虫といった寄生虫が付いている可能性があり、きちんと処理されたものでないと
- 7
「生」では食べられない。たまたま運が悪いからアタるということではなく、厚生労働省のデータによると
- 8
この寄生虫は8%近く検出されている。
つまり生ホタルイカの1パックに20杯ほど入っているとすると、
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うち1〜2杯に含まれるということになる。
余談であるが、イカは泳いでいる時は「匹」と数え、水揚げされれば
- 10
「杯」と数えるとのこと。イカの胴が杯(さかずき)に似ていることから、そのように数えるようになったようである。
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話を戻すと、ホタイルカの生食できるものは「生食用」「刺身用」として販売されており、販売前に冷凍処理が施されているので
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生食できる。
しかし、「加熱用」となっているものは冷凍処理をしていないので、そのままでは食べられない。
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アニサキスだけであれば家庭用冷凍庫でも「-18℃で48時間以上冷凍」すると死滅するが、旋尾線虫は
- 14
「-30℃で4日間以上〜-40℃で40分以上冷凍」することが不可欠となるので、家庭では不可能である。
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つまり、「加熱用」のものは絶対に加熱調理しなくてはならない。
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(出典:厚生労働省「生食用ホタルイカの取扱いについて」)
※コツ・ポイント欄にURLあり。
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その加熱条件は「沸騰水に投入後30秒以上保持、もしくは中心温度で60℃以上の加熱」ということなので、30秒以上茹でるか、
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もしくはBONIQなら60℃以上で低温調理するということになる。
当たり前であるが、肉や魚というのは単に
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調理温度が低ければ低いほど良い、ということはない。単にやわらかければ良いってものでもない。
その食材が生きるような
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歯応えや歯切れの良さであったり、食感であったり、旨味が感じられるのに適した調理温度というものがある。
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今回はホタルイカに適した設定温度を探るべく、次の3つの温度で比較実験を行う。
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実験1. 61℃ 0:40(40分)
実験2. 65℃ 0:25(25分)
実験3. 70℃ 0:20(20分) - 23
設定時間はホタルイカの厚み1cmに合わせて、「低温調理 加熱時間基準表(魚)」に沿ったものとする。
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※参照:「低温調理 加熱時間基準表(魚)」https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
- 25
厚生労働省の加熱基準は60℃以上の加熱ということであるが、60℃設定だとBONIQ機器と芯温計の測定誤差により、
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ホタルイカの芯温を計測した場合に、表示が永久に60℃に達しない事態を避けるため、実験1を61℃とした。
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果たして結果はいかに。
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<BONIQ設定>
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実験1. 61℃ 0:40(40分)
実験2. 65℃ 0:25(25分)
実験3. 70℃ 0:20(20分) - 30
※参照:「低温調理 加熱時間基準表(魚)」https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
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<比較実験>
生ホタルイカを塩で軽く揉んで水で流し、水気を切る。
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各実験ごとに耐熱袋に生ホタルイカを入れ、
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それぞれの温度と時間で低温調理する。
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実験1. 61℃ 0:40(40分)
実験2. 65℃ 0:25(25分)
実験3. 70℃ 0:20(20分) - 35
BONIQの設定時間終了のタイマーが鳴ったら、袋を取り出し、袋ごと氷水で冷やす。
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BONIQセット時:
※肉、魚(生食用を除く)は種類と厚みに応じて加熱設定を変更する。 - 37
参照:「低温調理 加熱時間基準表」https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
- 38
※食材全体がきちんと湯せんに浸かるよう、十分な水量を用意する。
- 39
※高温・長時間調理時は蒸発による水位減少を防ぐため、最大水量を用意する。
- 40
BONIQ投入時:
※袋内に気泡が残らないよう湯せんに入れながらしっかり空気を抜き、密封する。 - 41
(参考:動画「低温調理用バッグの密封方法」、
- 42
https://www.youtube.com/watch?v=N-t1ox7mox0
- 43
記事「ベストなバッグ密封の仕方 比較実験」ID:20798293)
- 44
※食材全体が湯せんに浸かるようにする。浮いてくる場合は、
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・BONIQ 低温調理コンテナ:コンテナラック、トレーを使用して完全に沈める。
- 46
・鍋:耐熱性の瓶や重しを乗せて完全に沈める。
- 47
※高温・長時間調理時は、湯せんにカバーをして水位減少を防ぐ。
- 48
・BONIQ 低温調理コンテナ:コンテナルーフを使用する。
・鍋:ラップを使用する。 - 49
<比較実験結果>
結果は・・・
- 50
画像:実験1. 61℃ 0:40(40分)
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画像:実験2. 65℃ 0:25(25分)
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画像:実験3. 70℃ 0:20(20分)
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まず、湯せんから耐熱袋を取り出した瞬間目を疑うくらい、ほとんど溶けている。
完全にどれも失敗している。 - 54
「実験1. 61℃」「実験2. 65℃」「実験3. 70℃」ともホタルイカが入っていたというのが、足が残っているから
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わかるものの、胴は跡形もなくドロドロに溶けている。
イカの塩辛なのにイカ肉が無く、目と軟骨の残骸と少しの足が入っている - 56
ような感じに見える。
見た目は得体のしれない食べ物になってしまったが、実は味はどれもとても美味しい。
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旨味もたっぷりである。
しかし、料理としては成立していない。濾して離乳食や介護食などに使えると考えられなくもないが、 - 58
それはまた別の話。まずは目の前のホタルイカを歯応えよく歯切れ良く美味しく仕上げなくてはならない。
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スルメイカであれば、BONIQサイトでもレシピがいくつかあるように、65℃ではあまり溶けているという感じはない。
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(ただ、スルメイカより身のやわらかいヤリイカは溶けかけるので、ヤリイカの温度にもついても今後研究が必要である。)
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調べてみると、どうやらイカやタコの内臓や筋肉にはタンパク質分解酵素が含まれ、その酵素の働きでイカが分解され、
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溶けてしまうようだ。
これを「自己消化」と言い、タンパク質が分解して「アミノ酸」となり、「旨味」が増幅するのである。
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この作用を利用したものがイカの塩辛であり、とろりとして旨味が満載された珍味となる。
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このイカに含まれるタンパク質分解酵素は「プロテアーゼ」と言い、50〜60℃で最も活性化するという。つまり、今回の
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「実験1. 61℃〜実験3. 70℃」でホタルイカを加熱する中で、50〜60℃に長くさらされていたために、
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プロテアーゼが活性化して自己消化が起こり、ホタルイカがドロドロになってしまったのだと推察される。
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例えば、生ホタルイカをまず沸騰したお湯で塩茹でし、ボイルホタルイカの状態で調味料と一緒に低温調理する方法が
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今のところ一番間違いないのであるが、どうしてもBONIQだけで生ホタルイカの調理が完結できないものか?
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今後さらに研究を続ける必要がある。
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《参考文献》
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BONIQ 公式低温調理レシピサイトページに記載
https://boniq.jp/recipe/?p=40091 - 72
《作った感想》
- 73
BONIQの低温調理でこの上なく極上のホタルイカを食べようと思って始めた研究ですが、ドロドロの無惨な姿に
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なってしまいました(涙)(注:ドロドロのホタルイカは濾してパスタに入れて、筆者が美味しくいただきました。)
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冒頭のワクワク高揚感から、比較実験結果の撃沈ぶりが際立つ結果となってしまいました。しかし、
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豚骨ラーメンやタルトタタンなど失敗から生まれた名料理もあります(諸説あります)。
- 77
●BONIQ 低温調理用耐熱袋(湯せん、冷凍、冷蔵可能)は「BONI BAG」で検索
- 78
●BONIQ 低温調理コンテナ&コンテナアクセサリー(ラック、トレー、フタ、ジャケット)は「BONIQ コンテナ」で検索
- 79
●BONIQ 深型ホーロー鍋は
「BONIQ 鍋」で検索
コツ・ポイント
出典:厚生労働省
「生食用ホタルイカの取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2665&dataType=1&pageNo=1
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