梨ジャム(新幸)

梨は水分が多く、煮てもなかなか出てこないので、ジャムにするにはやっかいな果物です。そこで、ちょっと工夫しました。
このレシピの生い立ち
梨は比較的水分が多く、また細胞が岩構造になっているので、水分が出にくい果物です。果実から水分を出すために果実に砂糖をまぶして長時間煮詰めたりすると色も味も悪くなります。水分が多くペクチンが少ないのでジャム化するには、なかなか厄介な果物です。
作り方
- 1
今回は水分が多い新幸梨を使った。新高のように比較的水分の少ない梨の方がジャム作りには好都合である。
- 2
皮を剥き芯を取って(約1.7kg)8分割し、レモン1/2個分を加え、ビニール袋に入れて一旦冷凍する。これを自然解凍する。
- 3
自然解凍すれば融解ドリップ(果汁)が滲み出る。ここで残りのレモン果汁を加え、強火で果実を煮る。
- 4
途中木ベラで潰しながら適当な大きさに切る。大量の果汁が出てくる。強火で焦がさないように底からかき混ぜる。
- 5
十分果汁が滲み出たところで、ザルに受けて果汁と実を分離する。
- 6
果汁を別の鍋に移し、1/4程度まで煮詰める。途中アクを取る。
- 7
実は、マッシャーなどで潰しながら、さらに煮詰める。
- 8
木ベラで掻くとそこが見えるほどまで煮詰める。
- 9
果汁と果実を合わせてさらに煮詰める。最初の果実の重さ(1.7kg)の約6割程度まで煮詰める。
- 10
木べらで掻くと底が見える程度まで煮詰め、砂糖を3回に分割して加える。最後に砂糖を加えるときに甘さを調整する。
- 11
砂糖を加えて5分程度に詰めて完成。瓶詰めの時に、たこ焼きなどに用いる種落としを使えば温度が下がらないし、ビンも汚さない。
- 12
透明感があって、盛り上がるほど堅く出来れば成功。紅茶に加えて、ロシアンティーにしてもよく合う。
- 13
なお、砂糖を加えると同時に、ブラックペッパー(ホール)や赤ワイン、またはリキュールなどを加えても良い。
コツ・ポイント
梨ジャム作りの最大の課題は、なかなか出てくれない大量の果汁の処理です。冷凍して解凍ドリップを滲み出させたり、煮込みの途中で果汁と実に分離し、それぞれの水分を濃縮するなど、短時間で効果的に水分を飛ばすことが梨ジャム作りのポイントです。