36℃生v.s.低温調理サーモン比較実験

刺身として一番美味しいサーモンはどれか?
生 v.s. BONIQ、6パターンを徹底検証!
このレシピの生い立ち
前回実験時に38℃サーモンを食べた時、旨みがしっかり引き出されて美味しく、なんとも言えない新食感に驚きました。お刺身として食べたら面白いのでは!?と考えましたが、少し温度が違うだけでかなり食感などが変わることを考え、今回の実験に至りました。
36℃生v.s.低温調理サーモン比較実験
刺身として一番美味しいサーモンはどれか?
生 v.s. BONIQ、6パターンを徹底検証!
このレシピの生い立ち
前回実験時に38℃サーモンを食べた時、旨みがしっかり引き出されて美味しく、なんとも言えない新食感に驚きました。お刺身として食べたら面白いのでは!?と考えましたが、少し温度が違うだけでかなり食感などが変わることを考え、今回の実験に至りました。
作り方
- 1
本レシピは「生食」となりますので、保存ができません。
- 2
必ず「低温調理のルール 〜6つのポイント〜」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。
- 3
※低温調理のルール 〜6つのポイント〜
https://boniq.jp/recipe/?p=19886 - 4
(生食=「低温調理 加熱時間基準表(魚)」を満たしていない、低温で加熱調理したもの。)
- 5
参照:「低温調理 加熱時間基準表」https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
- 6
<比較実験背景>
BONIQマニアにおくる、低温調理の疑問あれこれの検証。
- 7
日々低温調理をしていると、食材がこんなに美味しくなるのか!という感動がある一方、本当にこれで良いのか?
- 8
もっとベストな方法があるのではないか?という疑問も同時にわいてくる。
- 9
最近では低温調理のメソッドに関する情報が増えつつあるが、それが本当に正しいのか?
- 10
実際調理をする中で出てきた疑問を検証してみる。
「刺身」と聞けば、「生魚を切ったもの」が想像できる。
- 11
しかし、極上の「刺身」や「(江戸前)鮨」はただ単に生魚を切ったものではない。ネタ自体が上質なのは言うまでもないが、
- 12
それを塩や昆布で締めたり、包丁の入れ方であったり、見た目ではわからないような職人技が散りばめられており、
- 13
それそのものが完成された一つの料理なのである。
職人技とはいかないがお家でひと手間加え、刺身を格上げできればと考えた。 - 14
筆者自身、子供の頃はサーモンの刺身、生サーモンが好きであったが、歳を重ねるにつれあまり食べなくなった。
- 15
サーモンマリネやカルパッチョなど、塩や酢で締めて調味したものは今でも好きであるが、刺身となるとサーモンの脂が
- 16
ダイレクトに感じられ、やや生臭いと感じるからである。それを覆い隠すように、
- 17
ドボドボとしょうゆをつけて食べるのはあまり好みではない。
しかし、前回行った実験 - 18
「38℃〜 サーモンの火入れ温度比較実験(ID:20220569)」にてアトランティックサーモンに振り塩をした後、
- 19
38℃ 30分で調理を行ったところ、驚くほど美味しくなったのである。全く臭みがなく、歯切れがよく旨みが引き出されていた。
- 20
これを刺身と呼んで良いなら「サーモンの刺身」の概念を覆したほどである。生寄りであるが生ではない新しい食感・味わいである。
- 21
この味わいは“振り塩”の効果なのか、38℃という温度のおかげなのか、はたまた両方なのか。
- 22
実験では40℃のものはたった2℃高いだけで、もはや生とは言えない食感になっていた。38℃以上のものは
- 23
“刺身”とは呼べないだろう。ではもっと低い36℃ではどうか?34℃ではどうか?
- 24
魚を加熱した場合のタンパク質の凝固温度はおよそ40~50℃と言われているが、前回の実験で38℃でも若干ではあるが
- 25
タンパク質が凝固し始めていたので、実際はサーモンのタンパク質凝固温度はもっと低いのではないか。
- 26
そこで次の6パターンの比較を行う。
実験1. 生
- 27
実験2. 洗い → 生 ※洗い:刺身をさっとぬるま湯で洗って氷で引き締める下処理
- 28
実験3. 振り塩 → 生 ※振り塩:塩を振ってしばらく置き、出てきた水分を拭き取る下処理
- 29
実験4. 振り塩 → BONIQで34℃ 30分
実験5. 振り塩 → BONIQで36℃ 30分 - 30
実験6. 振り塩 → BONIQで38℃ 30分
- 31
実験3は低温調理をしなくても、振り塩だけで臭みを抜いて旨みが引き出すことができるのかを検証。
- 32
実験4~6は振り塩後の低温調理で、この温度差でどのように身質が変わるのか。
実験2の“洗い”はコイなどの川魚や白身魚を - 33
引き締めたい時に行う下処理であるが、スーパーなどで買った刺身をお家で格上げする方法として紹介されていたもので、
- 34
せっかくなのでこちらも効果の程を検証してみる。
はたして刺身として一番美味しいのはどれか?
- 35
<BONIQ設定>
- 36
実験4. 34℃ 0:30(30分)
実験5. 36℃ 0:30(30分)
実験6. 38℃ 0:30(30分) - 37
<比較実験>
実験1. 生:
サーモンを約7mmの厚さに切る。 - 38
実験2. 洗い 生:
サーモンを約7mmの厚さに切ってボウルに入れ、ぬるま湯を入れて3秒洗う。(画像:左上、右上) - 39
氷水に落として身を引き締めたら、引き上げて水気を拭く。(手順38画像:左下、右下)
- 40
実験3. 振り塩 生:
サーモンに振り塩(サーモン重量の0.9%)の塩を全面に振り、冷蔵庫で10分置く。 - 41
出てきた水分をペーパーで拭き取る。
約7mmの厚さに切る。 - 42
実験4~6. 振り塩→BONIQで34 / 36 / 38℃ 30分:
- 43
サーモンに振り塩(サーモン重量の0.9%)の塩を全面に振り、冷蔵庫で10分置く。(手順42画像:左上)
- 44
出てきた水分をペーパーで拭き取る。(手順42画像:右上)
- 45
サーモンを耐熱袋に入れて密封し、それぞれの温度で30分低温調理を行う。(手順42画像:左下)
- 46
BONIQの設定時間終了タイマーが鳴ったら袋を取り出し、袋ごと氷水に漬けて冷却する。(手順42画像:右下)
- 47
サーモンを約7mmの厚さに切る。
- 48
BONIQセット時:
※肉、魚(生食用を除く)は種類と厚みに応じて加熱設定を変更する。 - 49
参照:「低温調理 加熱時間基準表」https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
- 50
※食材全体がきちんと湯せんに浸かるよう、十分な水量を用意する。
- 51
※高温・長時間調理時は蒸発による水位減少を防ぐため、最大水量を用意する。
- 52
BONIQ投入時:
※袋内に気泡が残らないよう湯せんに入れながらしっかり空気を抜き、密封する。 - 53
(参考:動画「低温調理用バッグの密封方法」、
- 54
https://www.youtube.com/watch?v=N-t1ox7mox0
- 55
記事「ベストなバッグ密封の仕方 比較実験」ID:20798293)
- 56
※食材全体が湯せんに浸かるようにする。浮いてくる場合は耐熱性の瓶や重しを乗せて完全に沈める。
- 57
※高温・長時間調理時は湯せんにカバーをする。(鍋:ラップ、コンテナ:フタ)
- 58
<比較実験結果>
それぞれ、以下のような結果となった。
- 59
画像:左上から実験1~3、左下から実験4~5
- 60
すべてしょうゆなどをつけずに実食したが・・・
「実験1. 生」は噛んでいると後味に生臭みがやってくる。 - 61
なるほど、「実験2. 洗い 生」は実験1よりもやや臭みが抜けている。“洗い”の効果は間違いなくあったと思うが、
- 62
サーモンを切ってぬるま湯で洗ってさらに氷水に落とし、ペーパーで拭くという工程の多さを考えると、あまりおすすめはしない。
- 63
それよりも、塩を振って出てきた水分をペーパーで拭いて切るだけの「実験3. 振り塩 生」の方が、塩の効果で
- 64
よっぽど臭みが抜けて旨みが出ている。実験1の生よりも身が引き締まっており、これだけで美味しく感じられる。
- 65
「実験4~6. 振り塩 → BONIQで34 / 36 / 38℃ 30分」では「実験4. 34℃」は
- 66
「実験3. 振り塩 生」とかなり似ており、臭みはほとんどなく旨みが引き出されている。おそらくこれは
- 67
34℃の温度というよりも、振り塩の効果であると思う。実験3との違いと言えば実験4の方が
- 68
ほんのわずかにやわらかいくらいである。実験3が充分美味しいので、これでは34℃で30分かけて
- 69
低温調理する意味はあまりなさそうである。
「実験5. 36℃」と「実験6. 38℃」はどちらも臭みがほとんどなく、
- 70
甘みと旨みが引き出されていて驚くほど美味しい。二つの決定的な違いは身の質とやわらかさである。
- 71
「実験5. 36℃」よりも「実験6. 38℃」は“火が入った感”が強く、やわらかいので慎重に切らないと
- 72
やや身が崩れそうになる。前回の「38℃〜サーモンの火入れ温度比較実験(ID:20220569)」の際は、
- 73
38℃のものが刺身としてふさわしいと思ったが、実験5と比較するとやはり“刺身”とは言えず、
- 74
この新しい味わい・食感は何か他の料理で生きるのではないかと感じた。
- 75
以上の結果から、サーモンの刺身として一番おすすめしたいのは
臭みがほとんどなく、甘みと旨みを引き出した
- 76
「実験5. 振り塩 → BONIQで36℃ 30分」
であり、低温調理しない方法では、臭みが抜けて身が引き締まった - 77
「実験3. 振り塩 生」
が短時間で仕上がり、お家の刺身を格上げする方法として秀逸であった。 - 78
《当レシピの栄養素》
- 79
栄養素/食(1日の推奨量)
カロリー:165.9 kcal
糖質:0.1 g - 80
タンパク質:14.1 g(体重 x 1.2g ~ 1.5 g)
脂質:11.3 g
食物繊維:0 g(20 g 以上) - 81
カリウム:252 mg(3500 mg 以上)
カルシウム:5.6 mg(650 mg 以上) - 82
マグネシウム:19.6 mg(350 mg 以上)
鉄分:1.5 mg(7.5 mg 以上) - 83
亜鉛:0.3 mg(10 mg 以上)
- 84
当レシピに対する「BONIQ管理栄養士からの栄養アドバイス」は、BONIQ 公式低温調理レシピサイトにてご覧ください。
- 85
<https://boniq.jp/recipe/?p=15225>
- 86
本レシピは「生食」となりますので、保存ができません。
- 87
必ず「低温調理のルール 〜6つのポイント〜」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。
- 88
※低温調理のルール 〜6つのポイント〜
https://boniq.jp/recipe/?p=19886 - 89
(生食=「低温調理 加熱時間基準表(魚)」を満たしていない、低温で加熱調理したもの。)
- 90
参照:「低温調理 加熱時間基準表」https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
- 91
《作った感想》
- 92
結果、お刺身としては「振り塩→BONIQで36℃ 30分」が一番おすすめ!
- 93
サーモンだけでなく他の魚にも有効なのか、検証してみたいと思います。
- 94
●BONIQ 低温調理コンテナ&コンテナアクセサリー(ラック、トレー、フタ、ジャケット)は「BONIQ コンテナ」で検索
- 95
●BONIQ 深型ホーロー鍋は
「BONIQ 鍋」で検索 - 96
●BONIQ 低温調理用耐熱袋は「BONI BAG」で検索
- 97
●低温調理用耐熱袋の密封方法
https://www.youtube.com/watch?v=N-t1ox7mox0 - 98
●ベストなバッグ密封の仕方
https://boniq.jp/recipe/?p=19616
コツ・ポイント
必ず「低温調理のルール ~6つのポイント~(https://boniq.jp/recipe/?p=19886 )」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。
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